自転車旅記録

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四国お遍路 自転車旅 後編

後編です。

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[10日目] 四万十~大月  (38のみ)

総距離:91.54 km , 上昇:1442 m

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雨の内から出発し、38番金剛福寺へ。すぐ近くに足摺岬公園があります。足摺岬公園にあるジョン万次郎の像↓

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39番延光寺までは、国道321号を通り大月経由する場合と、県道21号を通り三原村を経由する方法と大きく分けて2パターン存在します。

できるだけ海岸線を一周したいので、大月経由を選択。こちらの方が補給には困りません。

 

[11日目] 大月~須ノ川  (39,40)

総距離:71.49 km , 上昇:1024 m

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この区間はトンネルが多いです。ですが短いトンネルや、太めの歩道が用意されているトンネルが多く、それほど劣悪環境ではありません。

 

[12日目] 須ノ川~内子  (41~43)

総距離:87.94 km , 上昇:1427 m

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遍路道最長(1710m)の松尾トンネルを抜けると宇和島市街地へ。宇和島城には入らず、先を急ぎます。

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41番龍光寺手前にある、道の駅「みま」では、ランチバイキングが大人1100円で楽しめます。

久しぶりにおなか一杯食べました。

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43番明石寺の後にも全長1117mの鳥坂トンネルが待ち構えています。歩道が独立していない上、交通量が多いという劣悪環境です。歩きは松尾トンネル同様、迂回が推奨されていますが、自転車の場合はさっさと通過しちゃいましょう。

その後も56号を進み、大洲を越えて内子まで進みました。

 

[13日目] 内子~松山  (44~47)

総距離:98.48 km , 上昇:2204 m

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いよいよ標高700mクラスの久万高原に挑みます。

久万高原到達までの行き方で、①小田・真弓峠ルートと②下坂場・ひわた峠ルートの2ルートに分かれます。

路面状況は圧倒的に①ルートの方が良いので、①を選択。

平地の内後から真弓トンネルまでは、標高600m近くまで駆け上がります。ただアプローチ距離は長い分、あまり激坂はありません。

44、45の回り方も、順打ちの場合、同じ道を通る必要があります。

同じ道を通りたくないという方は45→44と行くのがいいみたいですが、順打にこだわる自分は44→45のルートを選択。

また、44 - 45間の県道12号は非常にアップダウンが激しいです。峠がいくつもあり、標高450mから650mまで200m近い登り下りを繰り返します。

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岩屋寺は駐車場からもかなり歩きます。車遍路勢は結構キツいのかも。

とはいえ、かなり見ごたえあります。本堂すぐ横が巨大な岩壁で、はしごで上に上がれます。洞窟もまた面白い。

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久万高原脱出は、下るだけかと思いきや、最後に標高700m級の三坂峠が待ち構えています。この峠を乗り越えるとようやく下りです。

国道33号を途中で外れ、狭くカーブ続きで路面も悪い悪路を下り、46番浄瑠璃寺へ。

時間との戦いでこの日は47まで納経クリア。48はギリギリアウトでまた明日。

 

[14日目] 松山~桜井  (48~58)

総距離:91.32 km , 上昇:955 m

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道後温泉付近に宿泊したため、また出戻りをして48番からスタート。

51番石手寺は他にはない独特なスピリチュアルな雰囲気のあるお寺で、不思議な洞窟があります。

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53番まで済ませ、松山城道後温泉などの寄り道の多い松山エリアは終了。今治を目指します。ちなみに今治までは40キロほどあります。

景色は良好ですが、風が強い日はもろ潮風を受け、足を奪われます。

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この日はギリ58番仙遊寺まで納経できました。仙遊寺はそこそこ登るので、仁王門付近に自転車を置くと良いです。

 

[15日目] 桜井~新居浜  (59~64)

総距離:68.93 km , 上昇:1228 m

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昨日行けなかった59番国分寺の納経を済ませ、いよいよ愛媛の難所60番横峰寺へ。

横峰寺の行き方も大きく二通りに分かれる。

①湯浪ルートは、湯浪休憩所に自転車を置き、そこから山道を4 kmほど登るコース。

一方②平野林道ルートは、63番吉祥寺まで先回りし、それから狭く登りもキツいが、車やバスなどの往来がある平野林道を抜けるコース。こちらのルートだと、寺まで自転車を持っていけるが、順打ちの場合出戻りが必要な点と、そもそもしんどく危険な点からあまり推奨されていない。

てな訳で、自分も①ルートを選択。

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結構な山道です。湯浪から片道4km程で500m近く登ります。なので、人によりますが、往復で1時間半~3時間はみた方が良いです。

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61番香園寺は、本堂が巨大なホールみたいな場所にあって面白いです。

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また、私が行ったときは、62番礼拝所は、61番香園寺の駐車場に設置されていましたが、現在 (2019年12月以降) は、62番宝寿寺に戻ったらしいです。

詳しくはわかりませんが、四国八十八ヶ所霊場会に復帰したとかなんとか、、、

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最後に、個人的に感動した64番前神寺の写真。

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[16日目] 新居浜善通寺  (65~70)

総距離:91.96 km , 上昇:1244 m

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65番三角寺はなかなか手強いです。斜面の急さと、自転車を置いて遍路道を往復という選択肢が取りづらいこともあり、個人的には横峰寺よりもキツいと感じました。

66番雲辺寺は標高900m越えの八十八ヵ所中、最高峰のお寺です。

標高900mの眺め↓

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雲辺寺山の行き方も、ロープウェイを使う使わないで分かれますが、どうしても自走にこだわる人以外はロープウェイを使った方が良いみたいです。

詳しくはこの方のブログをご覧ください。

osatabi.com

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68, 69番はほぼ同じ場所にあります。

この日は時間の都合上、70番まで納経し宿へ。

 

[17日目] 善通寺国分寺  (71~80)

総距離:52.98 km , 上昇:738 m

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前日行けなかった71番からスタート。71番弥谷寺は小高い場所にあるので、そこそこ登ります。

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その後は香川のボーナスステージ。空海生誕の地でもある、75番善通寺はとても広大なお寺で、観光客でにぎわっていました。

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[18日目] 国分寺志度  (81~86)

総距離:72.26 km , 上昇:1352 m 

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81, 82番は高地にあり、標高200~400mクラスの峠がいくつかあります。

が、ここまで来ると脚力・精神面共に鍛え上げられているため、かなり楽勝に感じます。

84番屋島寺は、階段の道か自動車専用道でしか行けないので、自転車を麓の東屋に置き徒歩で階段を登ります。

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また、85番八栗寺までは、一般車両不可の標識があるくらい、かなりの急坂です。

ケーブルカーもあるので、そちらに乗りました。

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[19日目] 志度徳島市街  (87~88)

総距離:80.59 km , 上昇:991 m

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87長尾寺までは平地ですが、88大窪寺は山の中にあります。

途中おへんろ交流サロンがあるので、立ち寄りましょう。もちろん入館料は無料です。

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これまでの日々の様々な思いがこみ上げてきます。

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そして、ついに大窪寺へ。疲れました。

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結願後はビクトリーロードを通って1番霊山寺へお礼参り。ここまでが正式なお遍路だそう。ビクトリーロードとは、県道1号と12号のことで、まさしく来た道を逆戻りです。

おおよそ20日ぶりの道ですが、「そういやここ通ったなあ」とか「この時はまだ~だったなあ」とか、懐かしさがこみ上げてきます。帰ってきたぜ、霊山寺

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[20日目] 帰還

あとは帰るだけと言いたいところですが、まだ帰れません。

というのも、19番立江寺の納経忘れが発覚したためです。

てな訳で、朝一で電車で納経しに行きます。

不幸中の幸いといいますが、電車で行けて、徳島港からも近いお寺である意味良かったです。

無人駅に戸惑いながらも帰還し、フェリーへ。これで旅路は終了。

 

[最後に]

おおよそ3週間ほどの旅ですが、とても濃密な時間だったと思う。

納経時間や日の入り時間、天候や体調、機器トラブルなど様々な制約の中、知らない土地でできるだけ安い宿を探しダメなら別を当たり、安い店を探し、キャンプの場合は風呂も探す。そして時間と金が許す限りは、寄り道場所を探して大いに楽しむ。

様々なことを同時に考えながらも、自分の中ではできるだけ安く早く帰るというミッションを達成できたと思う。

また、そろそろ帰りたいという思いを抑え、1つの目標に向かって継続し、達成するという経験が自分の中の経験値として小さな自信にもなったはず。